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医政羅針盤

紹介状なし大病院受診抑制は成功するか

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2014年8月1日号

 医療機関の機能分化が、外来でも進められようとしている。その方策のひとつとして検討されているのが、紹介状なしで大病院を受診した場合の患者負担の見直しである。 この議論は、昨年8月にまとめられた社会保障制度改革国民会議(国民会議)の報告書に端を発する。報告書は、「フリーアクセスの基本は守りつつ、限りある医療資源を効率的に活用するという医療提供体制改革に即した観点からは、医療機関間の適切な役割分担を図るため、『緩やかなゲートキーパー機能』の導入は必要となる」と指摘したうえで、「紹介状のない患者の一定病床数以上の病院の外来受診について、初再診料が選定療養の対象となっているが、一定の定額自己負担を求めるような仕組みを検討すべきある」と提案している。 これまでも、大病院は一般外来を縮小して、専門的な診療に重点化すべきだ、との議論は繰り返し提起され...  医療機関の機能分化が、外来でも進められようとしている。その方策のひとつとして検討されているのが、紹介状なしで大病院を受診した場合の患者負担の見直しである。 この議論は、昨年8月にまとめられた社会保障制度改革国民会議(国民会議)の報告書に端を発する。報告書は、「フリーアクセスの基本は守りつつ、限りある医療資源を効率的に活用するという医療提供体制改革に即した観点からは、医療機関間の適切な役割分担を図るため、『緩やかなゲートキーパー機能』の導入は必要となる」と指摘したうえで、「紹介状のない患者の一定病床数以上の病院の外来受診について、初再診料が選定療養の対象となっているが、一定の定額自己負担を求めるような仕組みを検討すべきある」と提案している。 これまでも、大病院は一般外来を縮小して、専門的な診療に重点化すべきだ、との議論は繰り返し提起されてい

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