医薬経済オンライン

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世界の医薬品業界

新しい抗がん剤は今後も高く売れるか

第88回

医薬評論家 五條正也

2014年7月15日号

 欧州経済も少し落ち着いてきているが、スペインなどまだ失業率の高い国もある。欧州先進国は少子高齢化で高齢者が増え、医療費の増大に頭を悩ませている。医療費を「税」で賄う英国やイタリア、スペインなどで課題となっているが、7月初めには「社会保険」の国であるフランスで社会保障費用を節減するべく、加齢黄斑変性症の治療薬として、「ルセンティス」の代わりに「アバスチン」を適応外で使用することが承認された。  これは「一時的な使用の推奨」という仕組みを拡大したものだ。アバスチンならルセンティスの5%程度で済むため「社会保険の財源を年間2億ユーロ削減すべき」として承認された。この2億ユーロ(約277億円)の削減というのは大きい。英国では国の医療費の80%以上を占めるイングランドで、NICE(国立医療技術評価機構)が承認しなかった高価な抗がん剤を「抗がん剤基金」で利...  欧州経済も少し落ち着いてきているが、スペインなどまだ失業率の高い国もある。欧州先進国は少子高齢化で高齢者が増え、医療費の増大に頭を悩ませている。医療費を「税」で賄う英国やイタリア、スペインなどで課題となっているが、7月初めには「社会保険」の国であるフランスで社会保障費用を節減するべく、加齢黄斑変性症の治療薬として、「ルセンティス」の代わりに「アバスチン」を適応外で使用することが承認された。  これは「一時的な使用の推奨」という仕組みを拡大したものだ。アバスチンならルセンティスの5%程度で済むため「社会保険の財源を年間2億ユーロ削減すべき」として承認された。この2億ユーロ(約277億円)の削減というのは大きい。英国では国の医療費の80%以上を占めるイングランドで、NICE(国立医療技術評価機構)が承認しなかった高価な抗がん剤を「抗がん剤基金」で利用

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