医政羅針盤
地域包括ケアで問われる「地域力」
山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰
2014年7月15日号
「地域包括ケアシステム」の構築は、厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓前課長の言葉を借りると、「国策」として進められている。それは、最近の診療報酬改定や今回成立した医療・介護総合確保推進法からも明らかだ。これからどのようなかたちでそれぞれの地域での取り組みが進められていくのか、注視していく必要がある。
地域包括ケアシステム構築の基本的な責任を負う主体は、市町村だとされる。最近、医療政策では都道府県の役割強化が謳われているが、在宅医療・介護は市町村が中心となる。都道府県の役割強化には、実効性のある医療計画や地域医療構想が策定できるのかという観点から疑問が残るが、市町村となると、その疑問は一層深まる。
もちろん、先進的な取り組みを行っている自治体があるのは確かだし、対象となるエリアの性格から考えても、医療計画や地域医療構想は都道府県、在宅医療...
「地域包括ケアシステム」の構築は、厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓前課長の言葉を借りると、「国策」として進められている。それは、最近の診療報酬改定や今回成立した医療・介護総合確保推進法からも明らかだ。これからどのようなかたちでそれぞれの地域での取り組みが進められていくのか、注視していく必要がある。
地域包括ケアシステム構築の基本的な責任を負う主体は、市町村だとされる。最近、医療政策では都道府県の役割強化が謳われているが、在宅医療・介護は市町村が中心となる。都道府県の役割強化には、実効性のある医療計画や地域医療構想が策定できるのかという観点から疑問が残るが、市町村となると、その疑問は一層深まる。
もちろん、先進的な取り組みを行っている自治体があるのは確かだし、対象となるエリアの性格から考えても、医療計画や地域医療構想は都道府県、在宅医療・
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