この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
新薬開発費の負担者
東京福祉大学・大学院 副学長 喜多村悦史
2014年7月15日号
「これは医師と製薬会社による患者への裏切りである」 東京大学医学部附属病院を中心にした白血病治療薬の臨床研究「SIGN」での、製薬会社の不適切・不明朗な関与を総括する、社説記事の冒頭文だ(4月4日付け朝日新聞『臨床研究不正─患者を食い物にするな』)。 SIGN研究は、従来の白血病治療薬に替えてノバルティスファーマの新薬「タシグナ」を使用した場合、どれだけ副作用が改善するかを調べる目的で実施された。問題は、実験結果次第で大いに販売促進という果実を得ることになるノバルティスが、研究計画書の作成、患者アンケートの作成・回収から学会発表資料のデータ解析に至るまで、研究の実務そのものに深く関与していたこと。その過程で、医師から同社に患者の個人情報が渡ってもいた。データ改竄の事実はなかったとは言うが、それ以前の「常識の欠如」との誹りは免れまい。 研究...
「これは医師と製薬会社による患者への裏切りである」 東京大学医学部附属病院を中心にした白血病治療薬の臨床研究「SIGN」での、製薬会社の不適切・不明朗な関与を総括する、社説記事の冒頭文だ(4月4日付け朝日新聞『臨床研究不正─患者を食い物にするな』)。 SIGN研究は、従来の白血病治療薬に替えてノバルティスファーマの新薬「タシグナ」を使用した場合、どれだけ副作用が改善するかを調べる目的で実施された。問題は、実験結果次第で大いに販売促進という果実を得ることになるノバルティスが、研究計画書の作成、患者アンケートの作成・回収から学会発表資料のデータ解析に至るまで、研究の実務そのものに深く関与していたこと。その過程で、医師から同社に患者の個人情報が渡ってもいた。データ改竄の事実はなかったとは言うが、それ以前の「常識の欠如」との誹りは免れまい。 研究の
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