もう逃げられない武田薬品 | 医薬経済オンライン

もう逃げられない武田薬品

特捜部が狙う「ＣＡＳＥ─Ｊ」問題

2014年7月1日号

　手元に武田薬品社員による「出張報告書」がある。京都大学が01〜05年に実施した大規模臨床試験「ＣＡＳＥ—Ｊ」に対し、武田の社員が「働きかけ」を行ったことを示す書類で、10年近く前のものだ。日時は05年5月28日、午後3〜4時。場所は東京丸ビル6階にある和食店「ななは」。出張したのは、関西にいる医薬情報部2人で、用件は次のように記載されている。　「京都大学講師ＣＡＳＥ—Ｊ統計解析計画の内容聴取」　ＣＡＳＥ—Ｊ試験は、約4700人の患者を対象に、武田の降圧剤「ブロプレス」（一般名＝カンデサルタン）とファイザーの「ノルバスク」（アムロジピン）の効果を比較した医師主導の試験。社員が面会した講師は、その試験で「統計解析計画書」を作成していた。　出張目的は、講師が作成中の統計解析計画書に、武田の意向が反映されたかどうか確認するため。出張報告書には「解析は京都大学で行わ... 　手元に武田薬品社員による「出張報告書」がある。京都大学が01〜05年に実施した大規模臨床試験「ＣＡＳＥ—Ｊ」に対し、武田の社員が「働きかけ」を行ったことを示す書類で、10年近く前のものだ。日時は05年5月28日、午後3〜4時。場所は東京丸ビル6階にある和食店「ななは」。出張したのは、関西にいる医薬情報部2人で、用件は次のように記載されている。　「京都大学講師ＣＡＳＥ—Ｊ統計解析計画の内容聴取」　ＣＡＳＥ—Ｊ試験は、約4700人の患者を対象に、武田の降圧剤「ブロプレス」（一般名＝カンデサルタン）とファイザーの「ノルバスク」（アムロジピン）の効果を比較した医師主導の試験。社員が面会した講師は、その試験で「統計解析計画書」を作成していた。　出張目的は、講師が作成中の統計解析計画書に、武田の意向が反映されたかどうか確認するため。出張報告書には「解析は京都大学で行われ

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