医薬経済オンライン

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20年越しの「暫定案」、根本解決には程遠く

根絶しないPTP誤飲事故と、コストの壁

2014年7月1日号

 そろそろ業界全体が重い腰を上げるときが近づきつつあるようだ。 話は約15年前に遡る。ある病院に、下腹部痛を訴える男性(77)が搬送されてきた。腹部CT検査を行ったところ、大腸憩室と腹水が認められた。開腹手術を行うと、腸管内に異物を発見した。執刀医が恐る恐る拾い上げると、思いもよらぬ物を目にした。錠剤が入ったままの「PTP」(Press Through Package)だった。 男性はPTP誤飲により「穿孔性腹膜炎」を引き起こしていた。PTPの鋭利な角が腸管内で穴を開けたのだった。 このような重篤なケースは稀だが、PTPの誤飲事故は後を絶たない。日本医療機能評価機構の調べによると、11年7月〜13年6月の2年間で、「26件」もの誤飲事故が発生している。 PTPは、塩化ビニルもしくはポリプロピレンに、アルミ箔またはポリエチレンラミネートフィルムを貼り合わせた包装形態で、60...  そろそろ業界全体が重い腰を上げるときが近づきつつあるようだ。 話は約15年前に遡る。ある病院に、下腹部痛を訴える男性(77)が搬送されてきた。腹部CT検査を行ったところ、大腸憩室と腹水が認められた。開腹手術を行うと、腸管内に異物を発見した。執刀医が恐る恐る拾い上げると、思いもよらぬ物を目にした。錠剤が入ったままの「PTP」(Press Through Package)だった。 男性はPTP誤飲により「穿孔性腹膜炎」を引き起こしていた。PTPの鋭利な角が腸管内で穴を開けたのだった。 このような重篤なケースは稀だが、PTPの誤飲事故は後を絶たない。日本医療機能評価機構の調べによると、11年7月〜13年6月の2年間で、「26件」もの誤飲事故が発生している。 PTPは、塩化ビニルもしくはポリプロピレンに、アルミ箔またはポリエチレンラミネートフィルムを貼り合わせた包装形態で、60年

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