医政羅針盤
不勉強なマスコミ報道が歪める政策論議
山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰
2014年7月1日号
大衆民主主義の世にあって、政治家は選挙民の世論を気にせざるを得ない。そして、世論の動向はマスコミ報道によって大きく左右されるとなれば、マスコミは権力批判のポーズを取りながら、実質的には自らが大きな権力を手にしている。19世紀フランスの政治家にして政治思想家のアレクシス・ド・トクヴィルがアメリカを訪れて、新聞を「第一権力」と喝破した所以である。 こうした状況は、現在でも変わらないどころか、その傾向にますます拍車が掛かっている。国民世論は、センセーショナルな見出しや、予めつくり上げられたストーリーに沿った一方的な論調に刺激され、そのときどきの気分で大きく揺れ動き、小選挙区制の下で極端な政治変動を生んでいる。それは医療政策も無縁ではない。 本誌のような専門媒体は別にして、一般紙では医療問題に精通している記者が限られていることもあり、そもそも知...
大衆民主主義の世にあって、政治家は選挙民の世論を気にせざるを得ない。そして、世論の動向はマスコミ報道によって大きく左右されるとなれば、マスコミは権力批判のポーズを取りながら、実質的には自らが大きな権力を手にしている。19世紀フランスの政治家にして政治思想家のアレクシス・ド・トクヴィルがアメリカを訪れて、新聞を「第一権力」と喝破した所以である。 こうした状況は、現在でも変わらないどころか、その傾向にますます拍車が掛かっている。国民世論は、センセーショナルな見出しや、予めつくり上げられたストーリーに沿った一方的な論調に刺激され、そのときどきの気分で大きく揺れ動き、小選挙区制の下で極端な政治変動を生んでいる。それは医療政策も無縁ではない。 本誌のような専門媒体は別にして、一般紙では医療問題に精通している記者が限られていることもあり、そもそも知識
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