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まさに問題あり過ぎの認知症

2014年7月1日号

 認知症の91歳の男性が徘徊中に電車にはねられて死亡した事故で、JR東海が振り替え輸送費などの損害賠償を遺族に求めた訴訟の控訴審判決が、名古屋高等裁判所で出された。高裁は同居していた妻の監督責任を認め、約360万円の支払いを命じた。男性の妻は当時85歳、自らも「要介護1」の認定を受けていた。夫を亡くした悲しみに加えて、献身的に介護しながら、わずかに目を離したことを過失と責められた妻の気持ちは察するに余りある。この厳しい判決に、世間では民意との乖離を実感した人も少なくないだろう。 要介護の認知症高齢者は10年時点で280万人。25年には470万人にまで増えると推計されている。今後、このような事故は増えると思われるが、認知症の人が損害を発生させた場合、介護していた家族だけに責任を負わせるのはどう考えても酷だ。責任を家族だけに負わせず、社会で担う何らかの仕組み...  認知症の91歳の男性が徘徊中に電車にはねられて死亡した事故で、JR東海が振り替え輸送費などの損害賠償を遺族に求めた訴訟の控訴審判決が、名古屋高等裁判所で出された。高裁は同居していた妻の監督責任を認め、約360万円の支払いを命じた。男性の妻は当時85歳、自らも「要介護1」の認定を受けていた。夫を亡くした悲しみに加えて、献身的に介護しながら、わずかに目を離したことを過失と責められた妻の気持ちは察するに余りある。この厳しい判決に、世間では民意との乖離を実感した人も少なくないだろう。 要介護の認知症高齢者は10年時点で280万人。25年には470万人にまで増えると推計されている。今後、このような事故は増えると思われるが、認知症の人が損害を発生させた場合、介護していた家族だけに責任を負わせるのはどう考えても酷だ。責任を家族だけに負わせず、社会で担う何らかの仕組みが必

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