世界の医薬品業界
開発や価格リスクの高まる製薬企業
第87回
医薬評論家 五條正也
2014年6月15日号
米国で1日1錠の卸価格が1000ドル、標準の12週間で8万4000ドルという慢性C型肝炎の抗ウイルス薬「ソバルディ」(一般名ソフォスブビル)が保険会社などから「高すぎる」、あるいは対象患者が300万人を超えるため「保険制度を維持できない」として、かつてないほどのバッシングを受けている。ただし、これは発売したギリアドサイエンシズが特別に高く設定したわけではない。
ソバルディが米国で承認されたのは昨年12月6日だが、11月22日承認のヤンセン(J&J)の「オライシオ」(日本製品名ソブリアード)は1錠が790ドル、同時点の「インシベック」(同テラビック)が1日3回6錠で787.5ドルだったためだ。オライシオもインシベックもペグインターフェロンの注射が必要だが、その費用がかからず、患者の副作用も抑えられることを考えれば、自由薬価の米国では普通の薬価設定だった。
しかし、イン...
米国で1日1錠の卸価格が1000ドル、標準の12週間で8万4000ドルという慢性C型肝炎の抗ウイルス薬「ソバルディ」(一般名ソフォスブビル)が保険会社などから「高すぎる」、あるいは対象患者が300万人を超えるため「保険制度を維持できない」として、かつてないほどのバッシングを受けている。ただし、これは発売したギリアドサイエンシズが特別に高く設定したわけではない。
ソバルディが米国で承認されたのは昨年12月6日だが、11月22日承認のヤンセン(J&J)の「オライシオ」(日本製品名ソブリアード)は1錠が790ドル、同時点の「インシベック」(同テラビック)が1日3回6錠で787.5ドルだったためだ。オライシオもインシベックもペグインターフェロンの注射が必要だが、その費用がかからず、患者の副作用も抑えられることを考えれば、自由薬価の米国では普通の薬価設定だった。
しかし、インター
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