医薬経済オンライン

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読む医療—医師が書いた本の斜め読み—

平穏死の概念は浸透から論点整理へ

第3回

鍛冶孝雄

2014年6月15日号

「平穏死」は、人によって「尊厳死」、「自然死」と言い変えることはあるが、最大公約数的には、希望のない治療は望まないということで一致点を見つけることができる。この判断は、「常識」と「通念」を確立するステップとして議論の整理のときを迎えている。  平穏死に関する医師の著作をいくつか読むと一定の共通項がある。延命治療に対する懐疑の表明、病院医療と施設介護、在宅療養の距離感、ピンピンコロリという言葉に代表される「突然死」に近いような死生観とは一線を画す。つまり、「苦しまずに不必要で過剰な治療は施さず、できれば自宅で息を引き取る」ことを奨める内容だ。  ピンピンコロリは「PPK」などと呼ばれて、一時期持て囃された死生観のひとつだ。イメージは、縁側で日向ぼっこしている高齢者がいつの間にか亡くなっているというものだろう。しか... 「平穏死」は、人によって「尊厳死」、「自然死」と言い変えることはあるが、最大公約数的には、希望のない治療は望まないということで一致点を見つけることができる。この判断は、「常識」と「通念」を確立するステップとして議論の整理のときを迎えている。  平穏死に関する医師の著作をいくつか読むと一定の共通項がある。延命治療に対する懐疑の表明、病院医療と施設介護、在宅療養の距離感、ピンピンコロリという言葉に代表される「突然死」に近いような死生観とは一線を画す。つまり、「苦しまずに不必要で過剰な治療は施さず、できれば自宅で息を引き取る」ことを奨める内容だ。  ピンピンコロリは「PPK」などと呼ばれて、一時期持て囃された死生観のひとつだ。イメージは、縁側で日向ぼっこしている高齢者がいつの間にか亡くなっているというものだろう。しかし、

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