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OBSERVER

狭間研至・ファルメディコ社長(医師・医学博士)

2014年6月1日号

 薬剤師の職能は「謎解き」だ ——薬剤師のフィジカルアセスメント能力を高める研修に尽力されています。なぜですか。 狭間 それが薬剤師の専門性を発揮するうえで必要なことだからだ。彼らは薬学部で、薬剤が体内に投与された後どうなるか、吸収→分布→代謝→排泄というプロセスを頭に叩き込まれてきた。そこに薬剤師としての専門性の“礎”がある。ならば、効き目は出ているか、副作用は出ていないかを患者さんに尋ねたり、直接観察したりするのは当然の職能だろう。予期せぬことが起きたとき「謎解き」するのは、薬剤師の仕事だ。 ——謎解き、ですか。 狭間 例えば、「下剤を飲んでいるのにお通じがない」というときは、実は患者が薬を飲んでいなかったのかもしれないし、ほかの薬との相互作用で効き目が失われていたかもしれない。あるいは下剤によって腸は動いているけれど、大腸がんがあって詰...  薬剤師の職能は「謎解き」だ ——薬剤師のフィジカルアセスメント能力を高める研修に尽力されています。なぜですか。 狭間 それが薬剤師の専門性を発揮するうえで必要なことだからだ。彼らは薬学部で、薬剤が体内に投与された後どうなるか、吸収→分布→代謝→排泄というプロセスを頭に叩き込まれてきた。そこに薬剤師としての専門性の“礎”がある。ならば、効き目は出ているか、副作用は出ていないかを患者さんに尋ねたり、直接観察したりするのは当然の職能だろう。予期せぬことが起きたとき「謎解き」するのは、薬剤師の仕事だ。 ——謎解き、ですか。 狭間 例えば、「下剤を飲んでいるのにお通じがない」というときは、実は患者が薬を飲んでいなかったのかもしれないし、ほかの薬との相互作用で効き目が失われていたかもしれない。あるいは下剤によって腸は動いているけれど、大腸がんがあって詰ま

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