医薬経済オンライン

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少数派経済観測

円高株安へ逆回転の「懸念」

第26回

国際エコノミスト 今井 澂

2014年6月1日号

 この5月に米国に出張して、ヘッジファンドの運用担当者たちから聞いたシナリオである。これは、大変なことになったな、と感じた。ヘッジファンドが手持ちの日本株を売ったらどうなるか、私にはわかっているからである。 12年11月に民主党の野田佳彦前首相が解散総選挙を宣言した当時、円レートは79円台、日経平均は8600円台だった。ところが、「アベノミクス」を聞いてヘッジファンドが「円安・日本株高」を投資方針に変えた。 日本株は、シカゴ市場で円ロング(買い)から円ショート(売り)に転換、ニューヨーク上場のETF(上場投資信託)がまず買われ、東京市場でも3月頃までにヘッジファンドは現物を4兆円は買った。もちろん大成功だ。 対日比重をあげた機関投資家などを含め、13年に外国人は15兆円を買った。これに対して、日本の個人投資家と金融機関は愚かなことに14兆4000億円売った。...  この5月に米国に出張して、ヘッジファンドの運用担当者たちから聞いたシナリオである。これは、大変なことになったな、と感じた。ヘッジファンドが手持ちの日本株を売ったらどうなるか、私にはわかっているからである。 12年11月に民主党の野田佳彦前首相が解散総選挙を宣言した当時、円レートは79円台、日経平均は8600円台だった。ところが、「アベノミクス」を聞いてヘッジファンドが「円安・日本株高」を投資方針に変えた。 日本株は、シカゴ市場で円ロング(買い)から円ショート(売り)に転換、ニューヨーク上場のETF(上場投資信託)がまず買われ、東京市場でも3月頃までにヘッジファンドは現物を4兆円は買った。もちろん大成功だ。 対日比重をあげた機関投資家などを含め、13年に外国人は15兆円を買った。これに対して、日本の個人投資家と金融機関は愚かなことに14兆4000億円売った。外国

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