医薬経済オンライン

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読む医療—医師が書いた本の斜め読み—

「平穏死」が必要になった時代背景

第2回

鍛冶孝雄

2014年6月1日号

 21世紀に入ってから、「どう死ぬか」というテーマが社会的に受容され、一般化された概念として浸透している。リビングウィルや平穏死といった言葉の誕生と浸透は、医療保険や介護保険制度、社会福祉の制度全体の改革の原動力となり、それによってもたらされる一定の制度基盤の維持に、現状の予測以上の寄与をするのではないか。  死生観、リビングウィルや平穏死という言葉とその意味付けへの関心は、バブル崩壊以後の医療不信、「患者様」という居心地の悪い言葉に代表される患者の権利意識の高揚が沈静した後に、顕在化した。スパゲティ症候群と言われる濃厚診療への嫌悪感、介護の想像を超える経済的、精神的負担感が、情報として多彩に提供されるようになると、人々の関心は一気に「死に方」に動き始める。  平均寿命が世界一という報道にも、関心は薄れた。意地悪く見れば「いか...  21世紀に入ってから、「どう死ぬか」というテーマが社会的に受容され、一般化された概念として浸透している。リビングウィルや平穏死といった言葉の誕生と浸透は、医療保険や介護保険制度、社会福祉の制度全体の改革の原動力となり、それによってもたらされる一定の制度基盤の維持に、現状の予測以上の寄与をするのではないか。  死生観、リビングウィルや平穏死という言葉とその意味付けへの関心は、バブル崩壊以後の医療不信、「患者様」という居心地の悪い言葉に代表される患者の権利意識の高揚が沈静した後に、顕在化した。スパゲティ症候群と言われる濃厚診療への嫌悪感、介護の想像を超える経済的、精神的負担感が、情報として多彩に提供されるようになると、人々の関心は一気に「死に方」に動き始める。  平均寿命が世界一という報道にも、関心は薄れた。意地悪く見れば「いかに死

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