時流遡航
STAP細胞問題に見る科学界の光と影
ジャーナリスト 本田成親
2014年6月1日号
理化学研究所の理事会と調査委員会は、STAP細胞論文の不正認定に対する小保方晴子氏側の不服申し立てを退け、再調査しないことを決定し、ネイチャー論文撤回を勧告した。小保方氏側は論文撤回を拒み、調査委員会メンバーの既出論文の不手際をも引き合いに出して法廷闘争も辞さない構えのようだ。その余波が次元と状況のまるで異なる京都大学の山中伸弥教授の研究にまで及んだとあっては、開いた口が塞がらない。
小保方氏贔屓の告発の裏には、諸事情で理研を辞さざるを得なかった一部OBの意趣返しなどもあるようだ。現実問題として、小保方氏が勝訴しても、疑惑が濃厚になっているSTAP細胞の再現性が立証されない限り、理研に彼女の居場所はない。ただ、皮肉な見方をすれば、「オボカタ花」という一輪の徒花は、理研をはじめとする日本の科学界やその周辺社会のあり方に猛省を促...
理化学研究所の理事会と調査委員会は、STAP細胞論文の不正認定に対する小保方晴子氏側の不服申し立てを退け、再調査しないことを決定し、ネイチャー論文撤回を勧告した。小保方氏側は論文撤回を拒み、調査委員会メンバーの既出論文の不手際をも引き合いに出して法廷闘争も辞さない構えのようだ。その余波が次元と状況のまるで異なる京都大学の山中伸弥教授の研究にまで及んだとあっては、開いた口が塞がらない。
小保方氏贔屓の告発の裏には、諸事情で理研を辞さざるを得なかった一部OBの意趣返しなどもあるようだ。現実問題として、小保方氏が勝訴しても、疑惑が濃厚になっているSTAP細胞の再現性が立証されない限り、理研に彼女の居場所はない。ただ、皮肉な見方をすれば、「オボカタ花」という一輪の徒花は、理研をはじめとする日本の科学界やその周辺社会のあり方に猛省を促す意
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