新薬の市場環境を読む
再編機運は日本企業への「モーニングコール」
第56回
バークレイズ証券 株式調査部 関篤史
2014年5月15日号
イースター休暇前後は医薬セクターの投資家にとって忙しい時期だった。ファイザーによるアストラゼネカ買収観測(4月20日付サンデータイムズ紙)に加え、ノバルティスらが計5件の「取引」を公表した。09年の大型再編から5年が経過し、業界は新しい形を迎える準備を進めているのだろうか。 取引の詳細を簡単に述べる。①ノバルティスはグラクソスミスクラインのがん関連資産(13年売上高15億ドル)を145億ドルで獲得し、開発マイルストンは15億ドル。これは売上高倍率9.5〜10.5倍、EBIT倍率43〜48倍を示唆する。15億ドルのマイルストンは、423人の患者情報ではベネフィットを示すのが難しい可能性のあるCOMBI─d試験の全生存結果次第である。データは14年末に得られるようだ。②GSKはノバルティスのワクチン事業(インフルエンザワクチンを除く。13年売上高約90億ドル)を52.5億ドル、さらに...
イースター休暇前後は医薬セクターの投資家にとって忙しい時期だった。ファイザーによるアストラゼネカ買収観測(4月20日付サンデータイムズ紙)に加え、ノバルティスらが計5件の「取引」を公表した。09年の大型再編から5年が経過し、業界は新しい形を迎える準備を進めているのだろうか。 取引の詳細を簡単に述べる。①ノバルティスはグラクソスミスクラインのがん関連資産(13年売上高15億ドル)を145億ドルで獲得し、開発マイルストンは15億ドル。これは売上高倍率9.5〜10.5倍、EBIT倍率43〜48倍を示唆する。15億ドルのマイルストンは、423人の患者情報ではベネフィットを示すのが難しい可能性のあるCOMBI─d試験の全生存結果次第である。データは14年末に得られるようだ。②GSKはノバルティスのワクチン事業(インフルエンザワクチンを除く。13年売上高約90億ドル)を52.5億ドル、さらに18
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