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いまさら聞けない生薬・漢方薬

日中で基原植物が異なる例

第22回

名古屋市立大学大学院薬学研究科生薬学分野准教授 牧野利明

2014年5月15日号

 今回は生薬の名前が国によって異なる事例を紹介します。日本語で野菜として利用される植物のニンジンが、英語では“carrot”、ドイツ語で“karotte”、中国語では「胡萝卜」とまったく異なる表記になっているのは当たり前です。ここでは同じ漢字文化圏である中国と日本の間で、簡体字・繁体字と字形は違っていても同じ字からなる生薬名なのに、基原となる植物が異なっている例を紹介します。  その前に学問の世界での生物の名称について説明しなければなりません。生物の名称は、その生物自身が種を名乗ってくれる訳ではありませんから、あくまで人間が勝手に名付けたものになります。そのうち、自然発生的に名付けられた植物の名前を一般名といい、例えば先ほどのニンジンやアサガオといった名称です。  一般名は、言語によって変わりますし、日本に分布していない生物や日本人の生活につながり...  今回は生薬の名前が国によって異なる事例を紹介します。日本語で野菜として利用される植物のニンジンが、英語では“carrot”、ドイツ語で“karotte”、中国語では「胡萝卜」とまったく異なる表記になっているのは当たり前です。ここでは同じ漢字文化圏である中国と日本の間で、簡体字・繁体字と字形は違っていても同じ字からなる生薬名なのに、基原となる植物が異なっている例を紹介します。  その前に学問の世界での生物の名称について説明しなければなりません。生物の名称は、その生物自身が種を名乗ってくれる訳ではありませんから、あくまで人間が勝手に名付けたものになります。そのうち、自然発生的に名付けられた植物の名前を一般名といい、例えば先ほどのニンジンやアサガオといった名称です。  一般名は、言語によって変わりますし、日本に分布していない生物や日本人の生活につながりのな

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