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薬剤経済学

根拠に基づく給付設計と薬剤利用

第3回 アドヒアランス改善で医療費節減はない

2014年5月15日号

 臨床的価値の高い慢性疾患用薬について、選択的に患者負担を引き下げる「価値に基づいた医療保険給付設計(VBID)」のアプローチは、服薬指示を守る患者の比率を高める。ノースカロライナ州(NC)のブルークロス・ブルーシールドが契約する企業群と行った試みは、参加しなかった企業の従業員に比べて、多くの薬効群で服薬アドヒアランスの改善を示した。とくに患者負担の減少幅が大きい薬効群で著しかった。 実施から2年、VBID参加組は不参加組に比べて入院蓋然性、医療サービスの費用を少し下げたが、その節減は患者負担軽減に伴う薬剤給付費用の増分を相殺できるほどの規模ではなかった。高血圧、高血圧+脂質異常、高血圧+冠動脈疾患(CAD)の患者3万2470人の2年間の薬剤給付費640万ドル増に対し、医療サービスの節減は570万ドルにとどまり、「総医療費ベース節減も可能」という仮説...  臨床的価値の高い慢性疾患用薬について、選択的に患者負担を引き下げる「価値に基づいた医療保険給付設計(VBID)」のアプローチは、服薬指示を守る患者の比率を高める。ノースカロライナ州(NC)のブルークロス・ブルーシールドが契約する企業群と行った試みは、参加しなかった企業の従業員に比べて、多くの薬効群で服薬アドヒアランスの改善を示した。とくに患者負担の減少幅が大きい薬効群で著しかった。 実施から2年、VBID参加組は不参加組に比べて入院蓋然性、医療サービスの費用を少し下げたが、その節減は患者負担軽減に伴う薬剤給付費用の増分を相殺できるほどの規模ではなかった。高血圧、高血圧+脂質異常、高血圧+冠動脈疾患(CAD)の患者3万2470人の2年間の薬剤給付費640万ドル増に対し、医療サービスの節減は570万ドルにとどまり、「総医療費ベース節減も可能」という仮説は

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