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医政羅針盤

国家戦略特区で医学部新設は必要なのか

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2014年5月1日号

 安倍晋三首相は、経済政策の3本目の矢である成長戦略の一環として、「岩盤規制」の打破を掲げている。国家戦略特区はそのための手段であり、今年1月のダボス会議での安倍首相の演説によれば、国家戦略特区では「いかなる既得権益といえども、私の『ドリル』から、無傷ではいられません」ということらしい。 私は正直に言って、このような軽薄な物言いに少なからず嫌悪感を抱かざるを得ない。いかなる制度や政策も、時代の変化のなかで見直しが不可欠なのは言うまでもないが、強固な「岩盤規制」の存在によってこそ、社会の安定性を確保し、国民生活の基盤を守ることができるのだ。 にもかかわらず、医療までもが安倍首相の「ドリル」のターゲットとなっている。国家戦略特区に限らず、これまで特区として提案されてきた医療分野のさまざまな規制緩和措置については、筆者も委員のひとりとして参加し...  安倍晋三首相は、経済政策の3本目の矢である成長戦略の一環として、「岩盤規制」の打破を掲げている。国家戦略特区はそのための手段であり、今年1月のダボス会議での安倍首相の演説によれば、国家戦略特区では「いかなる既得権益といえども、私の『ドリル』から、無傷ではいられません」ということらしい。 私は正直に言って、このような軽薄な物言いに少なからず嫌悪感を抱かざるを得ない。いかなる制度や政策も、時代の変化のなかで見直しが不可欠なのは言うまでもないが、強固な「岩盤規制」の存在によってこそ、社会の安定性を確保し、国民生活の基盤を守ることができるのだ。 にもかかわらず、医療までもが安倍首相の「ドリル」のターゲットとなっている。国家戦略特区に限らず、これまで特区として提案されてきた医療分野のさまざまな規制緩和措置については、筆者も委員のひとりとして参加した

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