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薬剤経済学

根拠に基づく給付設計と薬剤利用

第2回 薬剤負担軽減が持続的なアドヒアランスを

2014年5月1日号

 価値に基づいた医療保険給付設計「VBID」のアプローチは、実績を重ねつつある。ただし、問題もある。①慢性疾患用薬の患者負担を選択的に下げ、あるいは排除して薬剤管理の改善を促す試みは、意図している服薬の徹底に結実しているか②医師の指示に従うアドヒアランスの改善があるとしたら、薬剤費の増分との関係で総医療費にどんな影響を持つか──という2点だ。 日常生活を通じて患者のアドヒアランスを確保する難しさは、よく知られている。だからこそ、経済的バリアを下げるだけで十分なのだろうか。 薬剤療法の「臨床的価値は高く、費用効果的でもある」という説明は、薬剤費抑制策への強力な反論である。薬剤利用が、例えば入院を防ぎ、薬剤費の増分をほかの医療費の節減で相殺できるなら、この論拠はさらに堅くなるだろう。しかし、支払者も同意する〝選ばれた薬剤〟でさえ効率化が認められな...  価値に基づいた医療保険給付設計「VBID」のアプローチは、実績を重ねつつある。ただし、問題もある。①慢性疾患用薬の患者負担を選択的に下げ、あるいは排除して薬剤管理の改善を促す試みは、意図している服薬の徹底に結実しているか②医師の指示に従うアドヒアランスの改善があるとしたら、薬剤費の増分との関係で総医療費にどんな影響を持つか──という2点だ。 日常生活を通じて患者のアドヒアランスを確保する難しさは、よく知られている。だからこそ、経済的バリアを下げるだけで十分なのだろうか。 薬剤療法の「臨床的価値は高く、費用効果的でもある」という説明は、薬剤費抑制策への強力な反論である。薬剤利用が、例えば入院を防ぎ、薬剤費の増分をほかの医療費の節減で相殺できるなら、この論拠はさらに堅くなるだろう。しかし、支払者も同意する〝選ばれた薬剤〟でさえ効率化が認められない

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