この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
子育て対策と行政の使命
東京福祉大学・大学院副学長 喜多村悦史
2014年5月1日号
13年の年の瀬に読売新聞が報道した記事のスクラップが出てきた。「所在不明の乳幼児4176人、虐待の懸念も」。数値は、全国の自治体が実施している乳幼児健診を受けず、かつ、その所在が確認できない乳幼児の数だという。 出生数が落ち込み、将来の国家像が悲観的になりがちだ。そのためか検診無料化、予防接種無料化、乳幼児医療費無料化、児童手当増額、保育所増設など、公費投入が際限なく拡大されている。 1000兆円を超え、なお急増しつつある借金漬け国家を破綻の淵から引き戻すには、膨れ上がった歳出を半減するか、その逆張りで国民経済の拡大とその付随効果としての税収倍増に期待するしか道はない。そして、この国の政策指導者は、脇目も振らずに後者のギャンブル的政策に賭けている。先に挙げた子育て対策も、その一環と位置付けられるわけだ。 古今の歴史を概観する限りでは、前者が財政...
13年の年の瀬に読売新聞が報道した記事のスクラップが出てきた。「所在不明の乳幼児4176人、虐待の懸念も」。数値は、全国の自治体が実施している乳幼児健診を受けず、かつ、その所在が確認できない乳幼児の数だという。 出生数が落ち込み、将来の国家像が悲観的になりがちだ。そのためか検診無料化、予防接種無料化、乳幼児医療費無料化、児童手当増額、保育所増設など、公費投入が際限なく拡大されている。 1000兆円を超え、なお急増しつつある借金漬け国家を破綻の淵から引き戻すには、膨れ上がった歳出を半減するか、その逆張りで国民経済の拡大とその付随効果としての税収倍増に期待するしか道はない。そして、この国の政策指導者は、脇目も振らずに後者のギャンブル的政策に賭けている。先に挙げた子育て対策も、その一環と位置付けられるわけだ。 古今の歴史を概観する限りでは、前者が財政再建
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