話題の焦点
「深い鎮静の戒め」
2014年4月15日号
3月の朝刊の片隅。2歳男児が術後の鎮静が強く作用し過ぎて急逝したとある。大学病院でのこと。医療の難しさを痛感する。 米国で「鎮静管理ガイドライン」が10年振りに改訂された。例えば、「人工呼吸中のICU患者は鎮静薬で極力眠らせておいたほうがいい」とする固定観念が長い間続いていたが、ついにこの慣習が否定され、鎮静レベルを浅くとどめることに改められたのだ。 そのほうが、QOLの高い生活を早く取り戻せることがわかったからである。 昔は、重症患者と言えば絶対安静。寝返りさせることも憚るほどだったが、今ではわずかな時間でも体を動かすチャンスを狙う、超重篤な心筋梗塞患者さえ、運動療法の指示を出し、それが病状回復の転機になることを知ったのである。 これまで使用頻度の高かった鎮静薬の代表格BZ系薬の使用が、東京女子医大では10分の1に減少、早期リハビリにつなげ...
3月の朝刊の片隅。2歳男児が術後の鎮静が強く作用し過ぎて急逝したとある。大学病院でのこと。医療の難しさを痛感する。 米国で「鎮静管理ガイドライン」が10年振りに改訂された。例えば、「人工呼吸中のICU患者は鎮静薬で極力眠らせておいたほうがいい」とする固定観念が長い間続いていたが、ついにこの慣習が否定され、鎮静レベルを浅くとどめることに改められたのだ。 そのほうが、QOLの高い生活を早く取り戻せることがわかったからである。 昔は、重症患者と言えば絶対安静。寝返りさせることも憚るほどだったが、今ではわずかな時間でも体を動かすチャンスを狙う、超重篤な心筋梗塞患者さえ、運動療法の指示を出し、それが病状回復の転機になることを知ったのである。 これまで使用頻度の高かった鎮静薬の代表格BZ系薬の使用が、東京女子医大では10分の1に減少、早期リハビリにつなげて
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