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医政羅針盤

費用対効果評価と国民皆保険への影響

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2014年4月15日号

 中央社会保険医療協議会に費用対効果評価専門部会が設置されて2年が経つ。約1年前、厚生労働省の当時の担当者が「遅々として進んでいる」などと評した通り、14年度改定での試行的導入をめざした当初スケジュールからは後退したものの、議論は少しずつ積み重ねられてきた。同部会は12年5月23日に第1回目を開催して以降、13年12月25日まで合計15回開催され、ようやく「議論の中間的な整理」にまで漕ぎ着けた。  それにしても、なぜ当初の想定以上の時間がかかったのだろうか。ひとつには、効果指標にQALY(質調整生存年)を用いることを前提とした議論の進め方への、診療側委員の違和感があった。そしてもうひとつ、費用対効果の活用方法への根強い警戒感があった。  医療経済学で、QALYがよく用いられる効果指標であることは論を俟たない。イギリスなどでも、実際に政策上用いられてきた。だ...  中央社会保険医療協議会に費用対効果評価専門部会が設置されて2年が経つ。約1年前、厚生労働省の当時の担当者が「遅々として進んでいる」などと評した通り、14年度改定での試行的導入をめざした当初スケジュールからは後退したものの、議論は少しずつ積み重ねられてきた。同部会は12年5月23日に第1回目を開催して以降、13年12月25日まで合計15回開催され、ようやく「議論の中間的な整理」にまで漕ぎ着けた。  それにしても、なぜ当初の想定以上の時間がかかったのだろうか。ひとつには、効果指標にQALY(質調整生存年)を用いることを前提とした議論の進め方への、診療側委員の違和感があった。そしてもうひとつ、費用対効果の活用方法への根強い警戒感があった。  医療経済学で、QALYがよく用いられる効果指標であることは論を俟たない。イギリスなどでも、実際に政策上用いられてきた。だが

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