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審査建言

高齢者の多剤投薬問題に対策を

医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩

2014年4月15日号

 最近、向精神薬の多剤投薬にようやく対策がとられ始めた。だが、高齢者への多剤投薬問題は対策が不十分なままだ。診療報酬上は7剤を超える薬剤を処方した場合に、減額などをする措置がとられているが、院外処方された場合や、複数の診療所を跨がる場合には効果はない。多剤投薬に対する診療報酬上の規制に対しては、医療関係者の抵抗が強いようで、さらなる改善は難しいようでもある。  高齢者への多剤投薬問題は、向精神薬の場合とはまったく異なって、わが国の医療そのものの問題だ。医療機関をはしごする高齢者がいる一方、病気ごとに薬を処方する医師の存在もあって、症状が増えるごとに薬もどんどん増えていく。医療費のみならず、高齢者医療のあり方そのものにかかわる極めて重大な問題だが、それだけに解決は非常に難しいとも言える。  また、高齢者は医療費が安いため負担感が軽く、薬が多...  最近、向精神薬の多剤投薬にようやく対策がとられ始めた。だが、高齢者への多剤投薬問題は対策が不十分なままだ。診療報酬上は7剤を超える薬剤を処方した場合に、減額などをする措置がとられているが、院外処方された場合や、複数の診療所を跨がる場合には効果はない。多剤投薬に対する診療報酬上の規制に対しては、医療関係者の抵抗が強いようで、さらなる改善は難しいようでもある。  高齢者への多剤投薬問題は、向精神薬の場合とはまったく異なって、わが国の医療そのものの問題だ。医療機関をはしごする高齢者がいる一方、病気ごとに薬を処方する医師の存在もあって、症状が増えるごとに薬もどんどん増えていく。医療費のみならず、高齢者医療のあり方そのものにかかわる極めて重大な問題だが、それだけに解決は非常に難しいとも言える。  また、高齢者は医療費が安いため負担感が軽く、薬が多すぎ

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