修復腎移植の真実
臓器売買事件
第1回
ノンフィクション・ライター 高橋幸春
2014年4月1日号
05年9月、愛媛県宇和島市の宇和島徳州会病院で、臓器売買による腎臓移植手術が行われた。 事件の概要はこうだ。自らの腎臓を「売った」とされたのはA子さん(当時59)。A子さんに金品を渡したのがM子(当時59)で、腎臓の提供を受けたのはM子の内縁の夫、S(当時59)だった。 「腎臓を提供してくれれば、300万円を支払う」 A子さんは、そうM子から持ちかけられた。この話を承諾したA子さんから腎臓が取り出され、Sに移植されたのだ。実際に30万円と150万円相当の乗用車がA子さんに贈られた。 臓器移植法は、その11条で臓器売買を禁止している。移植手術から1年後、M子とSの2人は逮捕された。約束の金を払ってくれないと、A子さんが警察に相談したことから、事件は発覚した。 事件そのものは、松山地裁宇和島支部判決で収束した。06年12月、松山地裁宇和島支部は、M子とSの2人に懲...
05年9月、愛媛県宇和島市の宇和島徳州会病院で、臓器売買による腎臓移植手術が行われた。 事件の概要はこうだ。自らの腎臓を「売った」とされたのはA子さん(当時59)。A子さんに金品を渡したのがM子(当時59)で、腎臓の提供を受けたのはM子の内縁の夫、S(当時59)だった。 「腎臓を提供してくれれば、300万円を支払う」 A子さんは、そうM子から持ちかけられた。この話を承諾したA子さんから腎臓が取り出され、Sに移植されたのだ。実際に30万円と150万円相当の乗用車がA子さんに贈られた。 臓器移植法は、その11条で臓器売買を禁止している。移植手術から1年後、M子とSの2人は逮捕された。約束の金を払ってくれないと、A子さんが警察に相談したことから、事件は発覚した。 事件そのものは、松山地裁宇和島支部判決で収束した。06年12月、松山地裁宇和島支部は、M子とSの2人に懲役1
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