この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
介護職の職業病
東京福祉大学・大学院 副学長 喜多村悦史
2014年4月1日号
ギックリ腰で数日間、身動きできなかった。この苦痛を他人に強いるなど、もってのほかである。 民間団体が看護・介護職6000人にアンケートしたところ、入職後に腰痛になった人が81%、仕事の継続に不安を感じる人が64%にものぼるという。原因の業務作業は、「排泄介助、おむつ交換」「移乗介助」「入浴介助」が多い。 仕事で変調が生じたのだから、労災の補償対象となる可能性は高い。だが、申請したのはわずか26%。労災申請できることを知らなかった者が大半だ。そもそも職場の管理職にも伝えておらず、伝えた場合であっても、4割の看護・介護職は「職場では何もしてくれなかった」としている。 労働基準法では、業務上疾病の類型として「重量物を取り扱う業務、腰部に過度の負担を与える不自然な作業姿勢により行う業務その他腰部に過度の負担のかかる業務による腰痛」を規定している(施行規則...
ギックリ腰で数日間、身動きできなかった。この苦痛を他人に強いるなど、もってのほかである。 民間団体が看護・介護職6000人にアンケートしたところ、入職後に腰痛になった人が81%、仕事の継続に不安を感じる人が64%にものぼるという。原因の業務作業は、「排泄介助、おむつ交換」「移乗介助」「入浴介助」が多い。 仕事で変調が生じたのだから、労災の補償対象となる可能性は高い。だが、申請したのはわずか26%。労災申請できることを知らなかった者が大半だ。そもそも職場の管理職にも伝えておらず、伝えた場合であっても、4割の看護・介護職は「職場では何もしてくれなかった」としている。 労働基準法では、業務上疾病の類型として「重量物を取り扱う業務、腰部に過度の負担を与える不自然な作業姿勢により行う業務その他腰部に過度の負担のかかる業務による腰痛」を規定している(施行規則別
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