いまさら聞けない生薬・漢方薬
欧州での生薬の状況
第20回
名古屋市立大学大学院薬学研究科生薬学分野准教授 牧野利明
2014年3月15日号
欧州では植物療法(フィトセラピー)の文化があり、古くは紀元前の英国でケルト系民族が使用していた薬用植物や、1世紀頃の古代ギリシャの薬学者ディオスコリデスが執筆したとされる薬物誌を起源として、現在でも欧州の伝統医学として使用され続けています。欧州で薬用植物を用いる伝統医学的な治療法としては、植物から調製した抽出物を内服または外用するだけでなく、植物から得られる精油(植物の葉や花を水蒸気蒸留することで得られる油、ヒトが香りとして感じることができる成分)を吸引したり皮膚に付けてマッサージしたりするアロマセラピー(芳香療法)や、ドイツの医師ハーネマンが創始した毒性の強い植物や鉱物を希釈して使用するホメオパシー(同種療法)などがあります。いずれも、①ヒトの精神と肉体とを分けず、②ヒトの部分ではなく全身を診て、③ヒトが本来持っている自然治癒力を高める...
欧州では植物療法(フィトセラピー)の文化があり、古くは紀元前の英国でケルト系民族が使用していた薬用植物や、1世紀頃の古代ギリシャの薬学者ディオスコリデスが執筆したとされる薬物誌を起源として、現在でも欧州の伝統医学として使用され続けています。欧州で薬用植物を用いる伝統医学的な治療法としては、植物から調製した抽出物を内服または外用するだけでなく、植物から得られる精油(植物の葉や花を水蒸気蒸留することで得られる油、ヒトが香りとして感じることができる成分)を吸引したり皮膚に付けてマッサージしたりするアロマセラピー(芳香療法)や、ドイツの医師ハーネマンが創始した毒性の強い植物や鉱物を希釈して使用するホメオパシー(同種療法)などがあります。いずれも、①ヒトの精神と肉体とを分けず、②ヒトの部分ではなく全身を診て、③ヒトが本来持っている自然治癒力を高めるよ
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録