医政羅針盤
消費税増税が突きつける困難な選択
山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰
2014年3月1日号
社会保障・税一体改革の最大の眼目は消費税増税だったと言っても過言ではない。社会保障制度を充実するためには、財源としての消費税増税は避けられないし、消費税増税の合意形成を図るには社会保障制度改革の議論が不可欠だった。97年の引き上げ時には、相次ぐ金融機関の経営破綻の影響も相俟ってデフレ不況を招いたと批判され、橋本内閣退陣にもつながったことから、消費税増税の必要性は繰り返し指摘されながらも、政治的に忌避され続けてきた。 国民的人気を誇った小泉内閣でも、消費税増税の前に社会保障費抑制という方針の下で、消費税増税の議論は完全に封印された。しかし、財源問題で躓いた民主党政権で、前回の引き上げから約15年を経て、民自公の3党合意で一体改革の道筋がつくられた。 消費税増税分は全額社会保障に充当されることになっている。消費税率引き上げが診療報酬改定と重な...
社会保障・税一体改革の最大の眼目は消費税増税だったと言っても過言ではない。社会保障制度を充実するためには、財源としての消費税増税は避けられないし、消費税増税の合意形成を図るには社会保障制度改革の議論が不可欠だった。97年の引き上げ時には、相次ぐ金融機関の経営破綻の影響も相俟ってデフレ不況を招いたと批判され、橋本内閣退陣にもつながったことから、消費税増税の必要性は繰り返し指摘されながらも、政治的に忌避され続けてきた。 国民的人気を誇った小泉内閣でも、消費税増税の前に社会保障費抑制という方針の下で、消費税増税の議論は完全に封印された。しかし、財源問題で躓いた民主党政権で、前回の引き上げから約15年を経て、民自公の3党合意で一体改革の道筋がつくられた。 消費税増税分は全額社会保障に充当されることになっている。消費税率引き上げが診療報酬改定と重なるこ
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