医薬経済オンライン

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理研がSTAP細胞樹立会見で犯した過ち

第43回

生島准

2014年2月15日号

 iPS細胞の樹立に続き、日本からまた細胞生物学の常識をぶち破る画期的な研究成果が1月30日発行の英ネイチャー誌で発表された。猛烈な報道で、今や日本の誰でも知っているSTAP細胞の発見である。この過激で歪んだ報道合戦の引き金を引いたのは、実は理化学研究所のiPS細胞に対する猛烈な対抗意識だった。iPS細胞もSTAP細胞も、日本が直面する老化やがんなどの社会的課題を解決する切り札だ。コップの中の争いを捨て、オールジャパンで取り組むべきである。 STAP細胞は刺激惹起性多能性獲得細胞の英文名の頭文字をとって命名された。今まで一度成熟した成人の細胞は発生過程を後戻り(初期化)して受精卵のような万能細胞に変わることは、ほ乳類では滅多にないと信じられていた。例外が、未受精卵の核を破壊して皮膚細胞などの成人細胞の核と置換する核移植とiPS細胞だった。そ...  iPS細胞の樹立に続き、日本からまた細胞生物学の常識をぶち破る画期的な研究成果が1月30日発行の英ネイチャー誌で発表された。猛烈な報道で、今や日本の誰でも知っているSTAP細胞の発見である。この過激で歪んだ報道合戦の引き金を引いたのは、実は理化学研究所のiPS細胞に対する猛烈な対抗意識だった。iPS細胞もSTAP細胞も、日本が直面する老化やがんなどの社会的課題を解決する切り札だ。コップの中の争いを捨て、オールジャパンで取り組むべきである。 STAP細胞は刺激惹起性多能性獲得細胞の英文名の頭文字をとって命名された。今まで一度成熟した成人の細胞は発生過程を後戻り(初期化)して受精卵のような万能細胞に変わることは、ほ乳類では滅多にないと信じられていた。例外が、未受精卵の核を破壊して皮膚細胞などの成人細胞の核と置換する核移植とiPS細胞だった。それ

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