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医政羅針盤

「制度化」に失敗した新薬創出加算の問題

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2014年1月15日号

中医協委員の説得は難しかった 昨年12月18日に開催された中央社会保険医療協議会薬価専門部会で、「次期薬価制度改革の骨子(たたき台)」が協議され、「試行」状態にある新薬創出・適応外薬解消等促進加算(新薬創出加算)について厚生労働省は「制度化」の方向性を提案した。ところが、支払側からも診療側からも異論が相次ぎ、「試行継続」でまとまって、25日の中医協総会で正式に了承された。  自民党は新薬創出加算の「恒久化」を選挙公約に掲げていた。アベノミクスの「第3の矢」である成長戦略でも創薬などに期待が寄せられていることもあり、次期薬価制度改革での対応が注目されていたものの、それでもやはり認められなかった。 「恒久化」なのか「制度化」なのかはいわゆる霞が関文学のようなもので、本質的な違いはない。厚労省からすると、恒久化に対する中医協での根強い反対意見を慮り、... 中医協委員の説得は難しかった 昨年12月18日に開催された中央社会保険医療協議会薬価専門部会で、「次期薬価制度改革の骨子(たたき台)」が協議され、「試行」状態にある新薬創出・適応外薬解消等促進加算(新薬創出加算)について厚生労働省は「制度化」の方向性を提案した。ところが、支払側からも診療側からも異論が相次ぎ、「試行継続」でまとまって、25日の中医協総会で正式に了承された。  自民党は新薬創出加算の「恒久化」を選挙公約に掲げていた。アベノミクスの「第3の矢」である成長戦略でも創薬などに期待が寄せられていることもあり、次期薬価制度改革での対応が注目されていたものの、それでもやはり認められなかった。 「恒久化」なのか「制度化」なのかはいわゆる霞が関文学のようなもので、本質的な違いはない。厚労省からすると、恒久化に対する中医協での根強い反対意見を慮り、恒久

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