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いまさら聞けない生薬・漢方薬

米国における生薬の状況

第19回

名古屋市立大学大学院薬学研究科生薬学分野准教授 牧野利明

2014年1月15日号

 海外の生薬と漢方薬の状況はどうなっているでしょうか。天然素材を食品、あるいは医薬品として使用するかの境界は、文化や習慣によって異なりますので、「食薬区分」は国によって異なります。従って、本連載で海外の話題を取り扱うときには、生薬の意味を拡大して、「ヒトに対して何らかの生理活性が期待される天然由来素材」として、食品として用いられるものを含めて解説したいと思います。 米国では、生薬は〝crude drug”と呼ばれます。〝Crude”は、「未精製の」とか「汚い」などの意味がありますので、生薬とは精製前の医薬品、すなわち、生薬に含まれている薬理活性を担う有効成分だけが医薬品であって、生薬そのものは医薬品として用いるには不純物が多すぎる、ということになります。 米国薬局方(USP)、例えば1873年のUSP第5版では、262種の植物を原料とした生薬が収載さ...  海外の生薬と漢方薬の状況はどうなっているでしょうか。天然素材を食品、あるいは医薬品として使用するかの境界は、文化や習慣によって異なりますので、「食薬区分」は国によって異なります。従って、本連載で海外の話題を取り扱うときには、生薬の意味を拡大して、「ヒトに対して何らかの生理活性が期待される天然由来素材」として、食品として用いられるものを含めて解説したいと思います。 米国では、生薬は〝crude drug”と呼ばれます。〝Crude”は、「未精製の」とか「汚い」などの意味がありますので、生薬とは精製前の医薬品、すなわち、生薬に含まれている薬理活性を担う有効成分だけが医薬品であって、生薬そのものは医薬品として用いるには不純物が多すぎる、ということになります。 米国薬局方(USP)、例えば1873年のUSP第5版では、262種の植物を原料とした生薬が収載され

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