少数派経済観測
ドル高・円安は長期的に続く
第21回
国際エコノミスト 今井澂
2014年1月1日号
最近、これは大ニュースだな、と直感した報道があった。12月13日のウォールストリートジャーナルが、「エクソン・モービルが、ある法律の改正に動き出した」というのである。 その法律とは「米国からの原油輸出は原則として禁止する」というもの。エクソンは、今の石油業界をつくり上げたロックフェラーのスタンダード・オイル・ニュージャージーを礎とする、米国最大の企業である。 何で?と私は考えた。エクソンは米国内に油田を持っているが、外国に輸出できるほどの余力はほとんどない。同社は、米国内の石油会社全体を束ねる役目も果たしており、輸出解禁は業界全体の要望と考えていい。 そもそも、米国内で産出された石油は、国内需要を満たしていない。米国の経常収支は年4000億ドルを超える大幅赤字だが、その3分の2がエネルギーの輸入超過である。だからこそ、米国は中近東への関与を重視...
最近、これは大ニュースだな、と直感した報道があった。12月13日のウォールストリートジャーナルが、「エクソン・モービルが、ある法律の改正に動き出した」というのである。 その法律とは「米国からの原油輸出は原則として禁止する」というもの。エクソンは、今の石油業界をつくり上げたロックフェラーのスタンダード・オイル・ニュージャージーを礎とする、米国最大の企業である。 何で?と私は考えた。エクソンは米国内に油田を持っているが、外国に輸出できるほどの余力はほとんどない。同社は、米国内の石油会社全体を束ねる役目も果たしており、輸出解禁は業界全体の要望と考えていい。 そもそも、米国内で産出された石油は、国内需要を満たしていない。米国の経常収支は年4000億ドルを超える大幅赤字だが、その3分の2がエネルギーの輸入超過である。だからこそ、米国は中近東への関与を重視し
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