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薬剤経済学

オレゴン州のメディケイド拡大2年目

第2回 政治に歪められる科学的考察

2013年12月15日号

 くじに当った低所得層の成人を医療扶助制度メディケイドでカバーし、外れた人は無保険状態に残す企画を通じ、自然なランダム化比較対照試験の環境を用意した米オレゴン州の政策2年目は、保険適用で医療アクセスを改善したものの、精神保健(うつの診断)を除いて、脂質、血圧、血糖値の臨床指標に反映されなかったという結果は、オバマ大統領の準皆保険政策支持者を困惑させた(「オレゴンの実験−メディケイドの臨床結果への影響」NEJM2013年5月2日)。 医療費負担の軽減とウェル・ビーイング(幸福感・全体としての快適さ)の向上を認めた1年目の結果(NBERワーキング・ペーパー2011年7月、クォータリー・ジャーナル・オブ・エコノミクス2012年8月、A.フィンケルスタインほか)に口を噤んだ反対派は、2年目に一転した結果を見て、破綻した医療システムを拡げても浪費に終わるだけだと、かね...  くじに当った低所得層の成人を医療扶助制度メディケイドでカバーし、外れた人は無保険状態に残す企画を通じ、自然なランダム化比較対照試験の環境を用意した米オレゴン州の政策2年目は、保険適用で医療アクセスを改善したものの、精神保健(うつの診断)を除いて、脂質、血圧、血糖値の臨床指標に反映されなかったという結果は、オバマ大統領の準皆保険政策支持者を困惑させた(「オレゴンの実験−メディケイドの臨床結果への影響」NEJM2013年5月2日)。 医療費負担の軽減とウェル・ビーイング(幸福感・全体としての快適さ)の向上を認めた1年目の結果(NBERワーキング・ペーパー2011年7月、クォータリー・ジャーナル・オブ・エコノミクス2012年8月、A.フィンケルスタインほか)に口を噤んだ反対派は、2年目に一転した結果を見て、破綻した医療システムを拡げても浪費に終わるだけだと、かねて

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