ラテン転々
イタリア人の場合
第7回
三山喬
2013年12月15日号
イタリアに詳しい文筆家・水沢透さんは、イタリア人気質に南北の地域差があることを強調すると同時に、一方でまた、全体としてはっきり日本人と異なる点があることも指摘する。「日本人の感覚からすると〝安請け合い〟と言われてしまうような、実現しない口約束。これは南北に関わらず間違いなく、イタリアの人たちには多いですね。 北の人たちは初対面で意気投合したからといって、そのまますぐ〝オレの家に来い〟なんて関係にはなりません。その点では南イタリアの人たちとは異なり、本当に仲のいい間柄になるまでは、中間的な距離感の状態があるんです。 でも、それはそれとして、今この瞬間、目の前にいる相手に嫌な顔をされたくない、気まずい空気にしたくない。そういう思いは、確実にイタリア人全体に共通しています。だからこそ、面と向かって話しているときには、できもしないことを簡単に...
イタリアに詳しい文筆家・水沢透さんは、イタリア人気質に南北の地域差があることを強調すると同時に、一方でまた、全体としてはっきり日本人と異なる点があることも指摘する。「日本人の感覚からすると〝安請け合い〟と言われてしまうような、実現しない口約束。これは南北に関わらず間違いなく、イタリアの人たちには多いですね。 北の人たちは初対面で意気投合したからといって、そのまますぐ〝オレの家に来い〟なんて関係にはなりません。その点では南イタリアの人たちとは異なり、本当に仲のいい間柄になるまでは、中間的な距離感の状態があるんです。 でも、それはそれとして、今この瞬間、目の前にいる相手に嫌な顔をされたくない、気まずい空気にしたくない。そういう思いは、確実にイタリア人全体に共通しています。だからこそ、面と向かって話しているときには、できもしないことを簡単に請け
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