医薬経済オンライン

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いまさら聞けない生薬・漢方薬

生薬に関する独特な用語の解説

第18回

名古屋市立大学大学院薬学研究科生薬学分野准教授 牧野利明

2013年12月1日号

 この連載でたびたび登場している「基原」という言葉は、広辞苑にも載っていない生薬学独自の言葉です。国立医薬品食品衛生研究所薬品部長の合田幸広先生の解説によれば、「起源」は、直接、間接を問わず広く“roots”という意味があり、「植物の起原は藻類である」という場合に用いる一方で、「基原」は直接的な起源を意味するとのこと。例えば、アスピリンの「起源植物」はセイヨウシロヤナギやセイヨウナツユキソウですが、現在のアスピリンは化学合成品が流通しています。一方、西洋生薬として用いるアヘンの「基原植物」はケシであり、アヘンに含まれているモルヒネもケシから単離精製されたものが流通しています。以上のことから、生薬の原材料である動植物を定義するためには「基原」という用語を用い、日本で流通する医薬品の規格を定義している日本薬局方でも「基原」を使用しているのです。 ...  この連載でたびたび登場している「基原」という言葉は、広辞苑にも載っていない生薬学独自の言葉です。国立医薬品食品衛生研究所薬品部長の合田幸広先生の解説によれば、「起源」は、直接、間接を問わず広く“roots”という意味があり、「植物の起原は藻類である」という場合に用いる一方で、「基原」は直接的な起源を意味するとのこと。例えば、アスピリンの「起源植物」はセイヨウシロヤナギやセイヨウナツユキソウですが、現在のアスピリンは化学合成品が流通しています。一方、西洋生薬として用いるアヘンの「基原植物」はケシであり、アヘンに含まれているモルヒネもケシから単離精製されたものが流通しています。以上のことから、生薬の原材料である動植物を定義するためには「基原」という用語を用い、日本で流通する医薬品の規格を定義している日本薬局方でも「基原」を使用しているのです。 生薬

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