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薬剤経済学

オレゴン州のメディケイド拡大2年目

第2回 保険適用しても健康結果を改善しない?

2013年12月1日号

 医療扶助制度メディケイドの適用を一般成人の低所得者に広げたが、実施2年目で、臨床指標に改善は認められなかったという報告は、米国を準皆保険体制に導く政策の柱=メディケイド拡張に反対する陣営に勢いを与えた(「オレゴンの実験−メディケイドの臨床結果への影響」−ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン2013年5月2日)。血圧、脂質は薬剤利用によって目立って増えることがなくなり、糖尿病では診断と薬剤利用は改善したが、血糖値に反映されず、3指標が密接に関わる心臓血管の10年リスクも著しい改善はなかった。 くじで選ばれた希望者が保険適用を獲得し、外れて無保険状態に残る人と比べるという、社会政策では稀なランダム化比較研究が実現された。気鋭の医療経済学者グループが用意した厳密なプロトコルに基づく観察で、研究設計、データ収集の不安なしに解釈が論じられている...  医療扶助制度メディケイドの適用を一般成人の低所得者に広げたが、実施2年目で、臨床指標に改善は認められなかったという報告は、米国を準皆保険体制に導く政策の柱=メディケイド拡張に反対する陣営に勢いを与えた(「オレゴンの実験−メディケイドの臨床結果への影響」−ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン2013年5月2日)。血圧、脂質は薬剤利用によって目立って増えることがなくなり、糖尿病では診断と薬剤利用は改善したが、血糖値に反映されず、3指標が密接に関わる心臓血管の10年リスクも著しい改善はなかった。 くじで選ばれた希望者が保険適用を獲得し、外れて無保険状態に残る人と比べるという、社会政策では稀なランダム化比較研究が実現された。気鋭の医療経済学者グループが用意した厳密なプロトコルに基づく観察で、研究設計、データ収集の不安なしに解釈が論じられている。 

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