内憂外患に直面する武田湘南研究所
剥げかかる長谷川経営のメッキ
2013年11月15日号
時計の針を7年ほど前に戻してほしい。06年秋、武田薬品は神奈川県藤沢、鎌倉両市に跨がる旧湘南工場跡地に総工費約1470億円を投じて世界最大級の「新研究所」を建設すると発表した。大阪市とつくば市に分散していた創薬研究機能を統合し、グローバル研究の加速に資すると、その狙いを語った。だが、衆目を集めたのは当時200億円の補助金を用意して府内残留を熱望した大阪府を袖にして、80億円を提示したに過ぎない神奈川県への移転を選んだ長谷川閑史社長の〝決断〟だった。
「取材仲間の記者の間でも大方の予想は府内残留だった。神奈川移転という話を聞いたとき、裏で何かあったのかと疑いましたよ」と、府政を担当していた大手紙記者は振り返る。後に、米ミレニアムの買収に8900億円、スイス・ナイコメッドの子会社化に1兆1200億円を投じる“長谷川経営”の大胆さを知った今では驚きは小さいが、この...
時計の針を7年ほど前に戻してほしい。06年秋、武田薬品は神奈川県藤沢、鎌倉両市に跨がる旧湘南工場跡地に総工費約1470億円を投じて世界最大級の「新研究所」を建設すると発表した。大阪市とつくば市に分散していた創薬研究機能を統合し、グローバル研究の加速に資すると、その狙いを語った。だが、衆目を集めたのは当時200億円の補助金を用意して府内残留を熱望した大阪府を袖にして、80億円を提示したに過ぎない神奈川県への移転を選んだ長谷川閑史社長の〝決断〟だった。
「取材仲間の記者の間でも大方の予想は府内残留だった。神奈川移転という話を聞いたとき、裏で何かあったのかと疑いましたよ」と、府政を担当していた大手紙記者は振り返る。後に、米ミレニアムの買収に8900億円、スイス・ナイコメッドの子会社化に1兆1200億円を投じる“長谷川経営”の大胆さを知った今では驚きは小さいが、このと
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