医薬経済オンライン

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「事実」を軽んじた検討会のレベル

ディオバン「中間とりまとめ」を読み解く

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2013年10月15日号

 もし私が厚生労働省の官僚に対する贈賄の疑いをかけられたとする。身に覚えのない私が必死で弁明するが、警察は聞き入れてくれない。疑いをかけられた最大の理由は、こうだ。「あなたは、その官僚と一緒に食事をするくらい親しいだろう」「親しい間柄である」という状況証拠だけで疑いをかけられてはたまらない。警察に限らず、公的機関が「疑い」を表明するには、それなりに根拠が必要だ。 9月30日、高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会は、「中間取りまとめ」を公表した。真相解明には程遠く、にもかかわらず、「(ノバルティスファーマは)誇大広告に該当するおそれがある」とまで言い切るには、それなりの根拠があるはずだ。 だが、いくら読み進めても、それらしきものは見つからない。 検討委員会の目的は「事実関係を可能な限り明らかにするとともに、その再発防止策について検討...  もし私が厚生労働省の官僚に対する贈賄の疑いをかけられたとする。身に覚えのない私が必死で弁明するが、警察は聞き入れてくれない。疑いをかけられた最大の理由は、こうだ。「あなたは、その官僚と一緒に食事をするくらい親しいだろう」「親しい間柄である」という状況証拠だけで疑いをかけられてはたまらない。警察に限らず、公的機関が「疑い」を表明するには、それなりに根拠が必要だ。 9月30日、高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会は、「中間取りまとめ」を公表した。真相解明には程遠く、にもかかわらず、「(ノバルティスファーマは)誇大広告に該当するおそれがある」とまで言い切るには、それなりの根拠があるはずだ。 だが、いくら読み進めても、それらしきものは見つからない。 検討委員会の目的は「事実関係を可能な限り明らかにするとともに、その再発防止策について検討す

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