医薬経済オンライン

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解けることない「囚人のジレンマ」

病床再編を巡るエンドレスの攻防

2013年10月15日号

「囚人のジレンマ」とは、社会保障制度改革国民会議で委員を務めた権丈善一慶應義塾大学教授が好んで使う、論理学の命題である。元は、共犯の囚人2人に別々に司法取引を持ちかけると、相手を裏切ってでも自己保身を図ろうとして2人とも重罰を喰らうという救いのない話であるが、転じて、「協調するほうが裏切り合うよりもよい結果になることがわかっていても、皆が自身の利益を優先している状況下では互いに裏切り合ってしまう」(ウィキペディアより)ことを指す。  今後の医療提供体制を案ずるに、急性期病床に分厚い今日の状況のままでは、25年時点の超高齢社会の医療ニーズにはマッチしない。それは医療関連業界の共通認識であるのだが、急性期病床を持つ病院経営者の立場では、全体最適よりも自院の部分最適を優先させてしまう。そういうことだ。  政策当局と医療団体の間でも、協調ではなくせめ... 「囚人のジレンマ」とは、社会保障制度改革国民会議で委員を務めた権丈善一慶應義塾大学教授が好んで使う、論理学の命題である。元は、共犯の囚人2人に別々に司法取引を持ちかけると、相手を裏切ってでも自己保身を図ろうとして2人とも重罰を喰らうという救いのない話であるが、転じて、「協調するほうが裏切り合うよりもよい結果になることがわかっていても、皆が自身の利益を優先している状況下では互いに裏切り合ってしまう」(ウィキペディアより)ことを指す。  今後の医療提供体制を案ずるに、急性期病床に分厚い今日の状況のままでは、25年時点の超高齢社会の医療ニーズにはマッチしない。それは医療関連業界の共通認識であるのだが、急性期病床を持つ病院経営者の立場では、全体最適よりも自院の部分最適を優先させてしまう。そういうことだ。  政策当局と医療団体の間でも、協調ではなくせめぎ

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