医薬経済オンライン

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この国につけるクスリ 社会保障よもやま話

保険給付を高度先進医療に特化

東京福祉大学・大学院 副学長 喜多村悦史

2013年10月15日号

 わが国のТPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加は、全体的、長期的に正しい。目先の利害より国家大計に基づく判断が優先する。つまらぬ俗論排除が必要だ。「ТPPでは混合診療が解禁され、国民皆保険が崩壊する」という議論を検証してみよう。 国民皆保険の基本は、国民全員参加の社会保険制度。ほとんどの先進国が理想とする社会システムである。アメリカにも社会保険制度は存在するのだから、「日本に社会保険制度が根づいているのはケシカラン」とは言い出すまい。 彼らは、アメリカの医療は進んでおり、その治療を受けたい者は世界中に溢れている、と信じている。よって「アメリカ資本による医療産業の日本進出を認めさせたい」というのが本音だろう。さて、それは日本国民にとって困ることなのか。これが問題の本質である。 具体的には、混合診療を本格解禁せよということになろうが、部分...  わが国のТPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加は、全体的、長期的に正しい。目先の利害より国家大計に基づく判断が優先する。つまらぬ俗論排除が必要だ。「ТPPでは混合診療が解禁され、国民皆保険が崩壊する」という議論を検証してみよう。 国民皆保険の基本は、国民全員参加の社会保険制度。ほとんどの先進国が理想とする社会システムである。アメリカにも社会保険制度は存在するのだから、「日本に社会保険制度が根づいているのはケシカラン」とは言い出すまい。 彼らは、アメリカの医療は進んでおり、その治療を受けたい者は世界中に溢れている、と信じている。よって「アメリカ資本による医療産業の日本進出を認めさせたい」というのが本音だろう。さて、それは日本国民にとって困ることなのか。これが問題の本質である。 具体的には、混合診療を本格解禁せよということになろうが、部分的に

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