医薬経済オンライン

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肥大化した「ARB市場」を斬る

ディオバン問題の「温床」、高血圧薬物治療の「怪」

㈱薬新 井高恭彦

2013年10月1日号

 ディオバン問題で一躍脚光を浴びたARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)は年間売上高6000億円を超える日本最大の医薬品市場である。だが、専門医の一部にはかねてから「日本のARB使用量は異常」と懸念する声があった。日本の医師の5割以上が高血圧治療の第1選択薬としてARBを使っているが、臨床研究や統計解析に詳しい名郷直樹・武蔵国分寺公園クリニック院長は「これまで発表された大規模臨床試験結果を、しっかりフォローしていればあり得ない処方行動だ」と問題視する。実際、米国ではARBよりACE阻害薬、Ca拮抗剤、利尿剤のほうがよく使われる。いったい、この違いはどこから来るのか。 現存する高血圧治療薬で、最も古いのは50年代に登場した利尿薬(サイアザイド系)、その後、60年代にβ遮断薬、70年代にCa拮抗薬、80年代にACE阻害薬、そして90年代にARBと、ほぼ10年...  ディオバン問題で一躍脚光を浴びたARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)は年間売上高6000億円を超える日本最大の医薬品市場である。だが、専門医の一部にはかねてから「日本のARB使用量は異常」と懸念する声があった。日本の医師の5割以上が高血圧治療の第1選択薬としてARBを使っているが、臨床研究や統計解析に詳しい名郷直樹・武蔵国分寺公園クリニック院長は「これまで発表された大規模臨床試験結果を、しっかりフォローしていればあり得ない処方行動だ」と問題視する。実際、米国ではARBよりACE阻害薬、Ca拮抗剤、利尿剤のほうがよく使われる。いったい、この違いはどこから来るのか。 現存する高血圧治療薬で、最も古いのは50年代に登場した利尿薬(サイアザイド系)、その後、60年代にβ遮断薬、70年代にCa拮抗薬、80年代にACE阻害薬、そして90年代にARBと、ほぼ10年おき

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