医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

「粘り勝ち」の論文撤回、6年間の軌跡

ディオバン問題、統計学的懸念が切り開いた突破口

2013年10月1日号

 13年9月6日、英医学誌『ランセット』が、降圧剤「バルサルタン」(製品名=ディオバン)に関する大規模臨床試験「JIKEI Heart Study」の論文を撤回した。論文が発表されたのは07年4月で、撤回までに6年もの歳月がかかったことになる。 撤回の直接の理由は、ランセットが論文の血圧データの整合性や統計担当者の所属表記に関して「十分な疑いがある」と判断したためだが、もともとこの論文に関しては、発表直後から疑問視する声が臨床医から出ていた。なかでも京都大学附属病院・循環器内科の由井芳樹医師は、ずっと疑問を投げかけてきたひとりだ。由井氏は6年間、どのようにこの問題と戦ってきたのだろうか。 JIKEI論文は、東京慈恵会医科大学・循環器内科の望月正武元教授の研究チームが作成した。降圧薬の新規薬として登場したアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)のバ...  13年9月6日、英医学誌『ランセット』が、降圧剤「バルサルタン」(製品名=ディオバン)に関する大規模臨床試験「JIKEI Heart Study」の論文を撤回した。論文が発表されたのは07年4月で、撤回までに6年もの歳月がかかったことになる。 撤回の直接の理由は、ランセットが論文の血圧データの整合性や統計担当者の所属表記に関して「十分な疑いがある」と判断したためだが、もともとこの論文に関しては、発表直後から疑問視する声が臨床医から出ていた。なかでも京都大学附属病院・循環器内科の由井芳樹医師は、ずっと疑問を投げかけてきたひとりだ。由井氏は6年間、どのようにこの問題と戦ってきたのだろうか。 JIKEI論文は、東京慈恵会医科大学・循環器内科の望月正武元教授の研究チームが作成した。降圧薬の新規薬として登場したアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)のバル

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence