医薬経済オンライン

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同床異夢で勝ち取った“成果”のレベル

杜撰さが招いた数々の過ち気づかず?

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2013年10月1日号

 同床異夢の思いで手を携えてきた産学が、「事件」を発端に責任を回避して模様眺めを決め込んでいる。 高血圧症治療薬「ディオバン」のデータ操作が明るみに出たノバルティスファーマと、大規模臨床試験を実施した各大学の今の対応をひと言で表すとしたら、こんな感じになる。 ディオバンに血圧を下げる効果以外に、心血管事象を抑止する効果があると証明されれば、ノバルティスにとっては、さらなる売り上げにつながる。また、そのことを大規模臨床試験で証明した研究者は、その手腕を買われて、学会内での立場を築く足がかりになる。 07年に東京慈恵会医科大学の論文がランセットに、09年には京都府立医科大学の論文がヨーロピアン・ハート・ジャーナルに相次いで掲載され、まさに同床異夢は実現したかに見えた。 だが、その論文にデータ操作が行われていたことが明らかになると、世界的な研究と...  同床異夢の思いで手を携えてきた産学が、「事件」を発端に責任を回避して模様眺めを決め込んでいる。 高血圧症治療薬「ディオバン」のデータ操作が明るみに出たノバルティスファーマと、大規模臨床試験を実施した各大学の今の対応をひと言で表すとしたら、こんな感じになる。 ディオバンに血圧を下げる効果以外に、心血管事象を抑止する効果があると証明されれば、ノバルティスにとっては、さらなる売り上げにつながる。また、そのことを大規模臨床試験で証明した研究者は、その手腕を買われて、学会内での立場を築く足がかりになる。 07年に東京慈恵会医科大学の論文がランセットに、09年には京都府立医科大学の論文がヨーロピアン・ハート・ジャーナルに相次いで掲載され、まさに同床異夢は実現したかに見えた。 だが、その論文にデータ操作が行われていたことが明らかになると、世界的な研究とし

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