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ワクチン悲喜こもごも

厚労省担当者は極悪人か

その9 妊娠希望者の風疹抗体検査無料化

健康政策評論家 堀米叡一

2013年10月1日号

 厚生労働省が来年度予算の概算要求に、妊娠希望の女性や夫などが風疹の抗体検査を受けることを全額補助(半分は自治体負担という想定)するためとして、30万人分8億円を盛り込んだという。 不勉強なマスコミの記者クラブ記者たちは、これをよい政策というトーンで報じているが、風疹対策に熱心な医師たちからは失望の声しかあがっていない。 というのも、妊婦にとって風疹が脅威なのは、妊娠中に感染すると、生まれてくる子どもに先天性風疹症候群(CRS)という重篤な後遺症をもたらすことがあるからだ。妊娠初期(とくに3ヵ月以内)に胎児内である量以上のウイルス増殖があれば、CRSは起きると考えられている。当然ではあるが、風疹流行とCRS発生の多い年は完全に一致している。また、この流行年に一致して、かつては風疹感染を危惧した人工中絶も多く見られた。つまり、CRSを防ぎ、ま...  厚生労働省が来年度予算の概算要求に、妊娠希望の女性や夫などが風疹の抗体検査を受けることを全額補助(半分は自治体負担という想定)するためとして、30万人分8億円を盛り込んだという。 不勉強なマスコミの記者クラブ記者たちは、これをよい政策というトーンで報じているが、風疹対策に熱心な医師たちからは失望の声しかあがっていない。 というのも、妊婦にとって風疹が脅威なのは、妊娠中に感染すると、生まれてくる子どもに先天性風疹症候群(CRS)という重篤な後遺症をもたらすことがあるからだ。妊娠初期(とくに3ヵ月以内)に胎児内である量以上のウイルス増殖があれば、CRSは起きると考えられている。当然ではあるが、風疹流行とCRS発生の多い年は完全に一致している。また、この流行年に一致して、かつては風疹感染を危惧した人工中絶も多く見られた。つまり、CRSを防ぎ、また

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