眺望「医薬街道」
浮いた国費2300億円をどう使うか
近藤正觀
2013年10月1日号
政府の社会保障改革国民会議(会長=清家篤慶応義塾長)は、後期高齢者医療保険制度の拠出金に関して、財政安定化のため15年度から「保険料の総報酬割の全面導入」を打ち出した。後期高齢者保険は5割が公費、1割が高齢者保険料、4割が現役世代の支援金で賄っている。支援金は、各健康保険が加入者数に応じて拠出する「加入者割」が基本だ。 この加入者割を見直し、「総報酬割」(賞与を含めた報酬)を適用して支援金の増額を目論んでいる。収入に応じて現役世代の保険料負担が増える構図である。総報酬割は被用者保険のなかで、健保組合の保険料が増額になり、協会けんぽでは保険料の減額となる。健保組合の所得水準が協会けんぽの水準より高いことが原因だ。 すると、今度は協会けんぽの財政運営を安定化するために実施していた国による支援金を減らすことにつながるという。その影響額は2300億円と...
政府の社会保障改革国民会議(会長=清家篤慶応義塾長)は、後期高齢者医療保険制度の拠出金に関して、財政安定化のため15年度から「保険料の総報酬割の全面導入」を打ち出した。後期高齢者保険は5割が公費、1割が高齢者保険料、4割が現役世代の支援金で賄っている。支援金は、各健康保険が加入者数に応じて拠出する「加入者割」が基本だ。 この加入者割を見直し、「総報酬割」(賞与を含めた報酬)を適用して支援金の増額を目論んでいる。収入に応じて現役世代の保険料負担が増える構図である。総報酬割は被用者保険のなかで、健保組合の保険料が増額になり、協会けんぽでは保険料の減額となる。健保組合の所得水準が協会けんぽの水準より高いことが原因だ。 すると、今度は協会けんぽの財政運営を安定化するために実施していた国による支援金を減らすことにつながるという。その影響額は2300億円と推
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