技術革新と製薬企業の明日
糖鎖工学技術で日本企業に可能性
第38回
生島准
2013年9月15日号
世界最大級の受託ペプチド合成企業、スイス・バッケム社は今年7月10日、インターフェロン(IFN)β1aの工業的な完全化学合成に成功したと発表、バイオ関係者をあっと言わせた。しかも基幹技術は京都のベンチャー企業、糖鎖工学研究所が提供したものだった。日本が世界をリードしている糖鎖科学の結晶である。 同社は価格的にも遺伝子操作による生産コストを凌駕すると主張、本当なら化学合成低分子並みのバイオジェネリックが誕生する道を拓いた。加えて、革新的な新薬、なかでも注目を集める中分子薬(分子量1000〜1万)の主役であるペプチド医薬の実用化を加速する技術突破でもあるのだ。 INFβはアミノ酸166個が結合したタンパク質に糖鎖が結合した糖タンパク質だ。現在、多発性硬化症治療薬やB型・C型肝炎治療薬として、全世界で4000億円の市場を誇っている。東レが世界に先駆けて実用化...
世界最大級の受託ペプチド合成企業、スイス・バッケム社は今年7月10日、インターフェロン(IFN)β1aの工業的な完全化学合成に成功したと発表、バイオ関係者をあっと言わせた。しかも基幹技術は京都のベンチャー企業、糖鎖工学研究所が提供したものだった。日本が世界をリードしている糖鎖科学の結晶である。 同社は価格的にも遺伝子操作による生産コストを凌駕すると主張、本当なら化学合成低分子並みのバイオジェネリックが誕生する道を拓いた。加えて、革新的な新薬、なかでも注目を集める中分子薬(分子量1000〜1万)の主役であるペプチド医薬の実用化を加速する技術突破でもあるのだ。 INFβはアミノ酸166個が結合したタンパク質に糖鎖が結合した糖タンパク質だ。現在、多発性硬化症治療薬やB型・C型肝炎治療薬として、全世界で4000億円の市場を誇っている。東レが世界に先駆けて実用化した
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