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この国につけるクスリ 社会保障よもやま話

不妊治療費用の助成

東京福祉大学・大学院 副学長 喜多村悦史

2013年9月15日号

 生物の本能は、自身のDNAを継承する子孫をできるだけ多く残すことである。人類にも当てはまる普遍的な原理だろう。 今回のテーマは、子孫を残したいという本能的欲求と国家との関係について。ボクは、わが子をつくるかどうかは当事者の意志に基づくべきであって、国家が干渉するのはスジ違いと考える。 かつて先進諸国で、国家が優性保護思想を振り回した時代があった。劣等な遺伝子の存在を排除するとして、遺伝性身体疾患、精神疾患、ハンセン病などの患者に強制的外科手術を行い、生殖能力を奪い取ってきたのだ。まさしく国家権力による干渉である。 今日、そうした考えを表明する政治指導者はいない。それは結構なことだが、別の方向での間違った思想があるようだ。 わが子をつくるのは個人の自由、選択の問題であるのだが、望んでも妊娠に至らないカップルが、自然状態ではほぼ1割存在する...  生物の本能は、自身のDNAを継承する子孫をできるだけ多く残すことである。人類にも当てはまる普遍的な原理だろう。 今回のテーマは、子孫を残したいという本能的欲求と国家との関係について。ボクは、わが子をつくるかどうかは当事者の意志に基づくべきであって、国家が干渉するのはスジ違いと考える。 かつて先進諸国で、国家が優性保護思想を振り回した時代があった。劣等な遺伝子の存在を排除するとして、遺伝性身体疾患、精神疾患、ハンセン病などの患者に強制的外科手術を行い、生殖能力を奪い取ってきたのだ。まさしく国家権力による干渉である。 今日、そうした考えを表明する政治指導者はいない。それは結構なことだが、別の方向での間違った思想があるようだ。 わが子をつくるのは個人の自由、選択の問題であるのだが、望んでも妊娠に至らないカップルが、自然状態ではほぼ1割存在する。

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