バイオシミラーの船出
見えない戦略
第3回
ボストン・テクノロジーマネジメント(BTM)社社長 小野光則
2013年9月1日号
バイオ医薬品の研究開発には、12億ドル(約1200億円)の投資と、10〜15年の時間がかかると言われている。これは低分子医薬品(5〜8億ドル、8〜10年)と比較して、かなりの負担である。 バイオ医薬品の会社は、平均して利益の30%はR&D経費に回さねばならない。膨大な開発コストの回収も、薬価が高くなる一因だ。 では、バイオシミラーはどうか。その開発費用はオリジナルの1/10、開発期間は1/2と言われているが、バイオシミラーは低分子の後発品とは異なり、先発メーカーと同程度の前臨床試験や臨床試験を実施しなくてはならない。 バイオリアクターなどの生産設備も、用意するのに4〜5年はかかることが多く、建設コストも数10億〜数百億円と莫大である。 異業種組としてバイオシミラーへの参入をめざす韓国のサムスングループや日本の富士フイルムは、もともと開発にそれほど時...
バイオ医薬品の研究開発には、12億ドル(約1200億円)の投資と、10〜15年の時間がかかると言われている。これは低分子医薬品(5〜8億ドル、8〜10年)と比較して、かなりの負担である。 バイオ医薬品の会社は、平均して利益の30%はR&D経費に回さねばならない。膨大な開発コストの回収も、薬価が高くなる一因だ。 では、バイオシミラーはどうか。その開発費用はオリジナルの1/10、開発期間は1/2と言われているが、バイオシミラーは低分子の後発品とは異なり、先発メーカーと同程度の前臨床試験や臨床試験を実施しなくてはならない。 バイオリアクターなどの生産設備も、用意するのに4〜5年はかかることが多く、建設コストも数10億〜数百億円と莫大である。 異業種組としてバイオシミラーへの参入をめざす韓国のサムスングループや日本の富士フイルムは、もともと開発にそれほど時間
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