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老医師のつぶやき

混合診療は米国式医療

第17回

吉原忠男(前埼玉県医師会長)

2013年9月1日号

 ときどき受診に来る商社マンがいる。彼は主としてニューヨークに出張していて、帰国したときに気管支炎や咽頭炎(日本政府の産業競争力会議が7割負担にしろと主張する「風邪」だ)やアレルギー性皮膚炎で来るのだ。彼は「薬を多めにくれ」と言ってニューヨークに持ち帰る。 あちらでは日本のように薬が簡単に手に入らないという。「いい病院がいっぱいあるだろうに」と言うと、あるけど受診は順番待ちが大変で、医師が診ても、検査は別のラボで、薬は町中の薬局でということだそうだ。日本のようにひとつの診療所で診断がつき、隣の調剤薬局ですぐに薬がもらえるなんて、便利なシステムじゃない、とぼやく。 薬局の常備薬品も品種が少ないという。HMO(米国の医療保険運営会社)の上限がある包括医療だから、薬局も余分な薬は置かない(投薬料をHMOに値切られている)。医師も、以前のHMO...  ときどき受診に来る商社マンがいる。彼は主としてニューヨークに出張していて、帰国したときに気管支炎や咽頭炎(日本政府の産業競争力会議が7割負担にしろと主張する「風邪」だ)やアレルギー性皮膚炎で来るのだ。彼は「薬を多めにくれ」と言ってニューヨークに持ち帰る。 あちらでは日本のように薬が簡単に手に入らないという。「いい病院がいっぱいあるだろうに」と言うと、あるけど受診は順番待ちが大変で、医師が診ても、検査は別のラボで、薬は町中の薬局でということだそうだ。日本のようにひとつの診療所で診断がつき、隣の調剤薬局ですぐに薬がもらえるなんて、便利なシステムじゃない、とぼやく。 薬局の常備薬品も品種が少ないという。HMO(米国の医療保険運営会社)の上限がある包括医療だから、薬局も余分な薬は置かない(投薬料をHMOに値切られている)。医師も、以前のHMOとの

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