医薬経済オンライン

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ディオバンで見えた「構造問題」

これは特定企業の特殊な出来事ではない

(株)薬新 井高恭彦

2013年8月15日号

会見する二之宮社長 高血圧治療薬ARB(アンジオテンシン2受容体拮抗剤)「ディオバン」(一般名バルサルタン)の不正論文問題を、「特定企業の特定製品で起きた特殊な出来事」と矮小化して片づけてはならない。  計らずもこの問題がきっかけで、これまで医療、医薬業界が、容認してきた日本の医師主導試験、製薬企業マーケティングが抱えている「暗部」が広く一般国民に知れわたった。確かに震源地は、論文のデータ操作という不正行為かもしれないが、こうした問題がいつ起きてもおかしくない「培地」があったことを、業界人なら誰もが知っていたはずだ。そういう意味で、これは、言わば構造問題である。  批判を覚悟で、あえて厳しい物言いをすれば医療、医薬の業界人は誰ひとり、責任を免れない。むろん、ここで言う業界人には、鳴らすべき警鐘を十分鳴らしてこなかった筆者をはじめ、専門ジャ... 会見する二之宮社長 高血圧治療薬ARB(アンジオテンシン2受容体拮抗剤)「ディオバン」(一般名バルサルタン)の不正論文問題を、「特定企業の特定製品で起きた特殊な出来事」と矮小化して片づけてはならない。  計らずもこの問題がきっかけで、これまで医療、医薬業界が、容認してきた日本の医師主導試験、製薬企業マーケティングが抱えている「暗部」が広く一般国民に知れわたった。確かに震源地は、論文のデータ操作という不正行為かもしれないが、こうした問題がいつ起きてもおかしくない「培地」があったことを、業界人なら誰もが知っていたはずだ。そういう意味で、これは、言わば構造問題である。  批判を覚悟で、あえて厳しい物言いをすれば医療、医薬の業界人は誰ひとり、責任を免れない。むろん、ここで言う業界人には、鳴らすべき警鐘を十分鳴らしてこなかった筆者をはじめ、専門ジャーナ

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