医薬経済オンライン

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地方への「遠隔入所」の是非論

都市部の「爆発的介護需要」に応じるには

2013年8月1日号

 「これは人権問題ではないか」 高名な社会福祉学者である、高橋紘士・国際医療福祉大学大学院教授は、そう断じた。都市部で今後爆発的に増加する医療介護需要をどう捌くか、地方への「介護移住」も含めて対策を練る厚生労働省の検討会での一幕。行き場のなくなった人も含め、都会の要介護高齢者を「町を上げて受け入れますよ」と助け船を出した農山間部の町の提案を、一刀両断したのだ。 高齢期は誰しも環境への「適応力」が落ちる。要介護・要支援の状態であればなおさら、急激 な環境変化は心理的な不安や混乱をもたらし、認知症や鬱症状を生ぜしめたり増悪させる恐れがある。介護者や行政の都合を優先させて縁無き遠隔地に移り住まわせ、命果てるまで当地にとどめ置くというのは、「姥捨て」ではないか、と難じたわけだ。とはいえ、高齢化が爆発的に進む都市部で、介護需要を満たしうる供給を域...  「これは人権問題ではないか」 高名な社会福祉学者である、高橋紘士・国際医療福祉大学大学院教授は、そう断じた。都市部で今後爆発的に増加する医療介護需要をどう捌くか、地方への「介護移住」も含めて対策を練る厚生労働省の検討会での一幕。行き場のなくなった人も含め、都会の要介護高齢者を「町を上げて受け入れますよ」と助け船を出した農山間部の町の提案を、一刀両断したのだ。 高齢期は誰しも環境への「適応力」が落ちる。要介護・要支援の状態であればなおさら、急激 な環境変化は心理的な不安や混乱をもたらし、認知症や鬱症状を生ぜしめたり増悪させる恐れがある。介護者や行政の都合を優先させて縁無き遠隔地に移り住まわせ、命果てるまで当地にとどめ置くというのは、「姥捨て」ではないか、と難じたわけだ。とはいえ、高齢化が爆発的に進む都市部で、介護需要を満たしうる供給を域内

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